月山に登るコト

月山に登って来ました。

東北芸術工科大学から見える景色の中に、

8月でも雪が残っている山。

10月には白い雪が積もり始めている山、それが月山。


私の学科では「月山」がある意味深いキーワードです。

月山青春音楽祭の準備期間は「憂鬱」であり「不安」の象徴。

それを乗り越えた学生にとっては、まさに「青春」を思い出させる言葉。

 

学年を超えたチュートリアル「東北楽」で企画し、

7/1に山開きをしたばかりの月山へ。


出羽三山。

羽黒山が現世、月山が前世、湯殿山が来世を表すとされ、

昨年、羽黒山の「蜂子皇子ご開帳」には薫堂さん達と、

湯殿山にはゼミ生と、いずれも驚きの体験でした。

8合目からの登山、片道約3時間。

この山は霊山であり、修行の場。

ほぼすべて「石」が複雑に敷き詰められています。

 

月山は、この「石」が鍵です。


最初は気にならず、むしろ歩きやすさを感じます。

登りやすい山だという人もいます。


しかし、途中からその石からの刺激が

足に、そして脳に伝わってきます。

それはまるでお経のように。


途中で気がつくことでしょう。

歩くことに集中しないと、前に進めない山なのです。

雨上がりであれば、転倒する危険もあります。


途中は残雪が残っています。

スキー場は7月まで営業。


山に登る事に集中せざるを得なくなる時間。

 

中盤を過ぎると、石がなければもっと登りやすいはずと思うように。


しかし、なぜここまで人間の手で、登りにくくしているのか。

そこに先人の知恵があるのだと、月山の山頂で確信しました。


月山の頂上で感じる、目の前の一歩一歩に集中する大切さ。


「コト」を教えるためには、「コト」を共に体験する「コト」


学生と共に体験した月山登山。 

何度目かの、教員になってよかったと思えた「コト」でした。